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渡辺始興(わたなべしこう)

簾に秋月図(すだれにあきつきず)

江戸中期 京都 細見美術館蔵

中秋の名月と薄、桔梗、女郎花、などの秋草を、簾越しに見せた情緒に満ちた作品。月は薄い藍色の外隈で表され、絹地の白さを生かした表現となっている。 描く対象を直に見せるのではなく、簾や蚊帳、あるいは網で透かして見せる手法は浮世絵などでよく用いられた。簾に覆われた部分もわずかな隙間から透かし見することができ、鑑賞者は見えない部分を無意識に心のうちで補ってみることで、より作品に親しむことになる。簾越しの秋草は影のように淡く、一方簾の外の秋草は月光に照らされ、色形ともに明瞭に描かれている。
鈴木其一が本図と同構成の作品を描いているなど、秋草に月の風趣を愛でる作品は、抱一や其一といった江戸琳派に多く見られる。本図はその先駆けとも思えるような興味深い作品である。

渡辺始興(1683〜1755)

京都で活躍した画家で、通称は求馬。はじめ狩野派に学び、のち光琳の影響を受けて琳派風の絵も描く。享保年間(1716〜36)を中心に近衛家熈に仕えた。また『模本春日権現験記絵』など古い絵巻の模写に力を注ぐ一方、『鳥類真写図巻』のような写生において円山応挙に影響を与えたともいわれている。

H030 渡辺始興 / 簾に秋月図

型番サイズ寸法(cm)販売価格(税抜)
L-H030LH117.0×W58.8×D4.0250,000円
M-H030MH100.0×W51.5×D4.0200,000円
S-H030SH89.0×W46.7×D4.0150,000円
SS-H030SSH50.0×W27.0×D3.346,000円

仕様: 額装(木製黒額縁、ビロードマット)
認定書・差込式段ボール付(黄袋入)